社労士としての提供価値 採用の極意⑥(新卒採用編)

CCCで中途キャリア採用の熱い夏を過ごした後に、友人の経営コンサルタントの声かけで転職した先が、マンションデベロッパーのモリモトだ。

上場を控えて、社内の体制整備を進める中で人事のマネージャーを探していたのだ。

体制整備は、等級制度、賃金制度、評価制度、退職金制度、研修制度などすべての人事制度にわたって行われた。

同時に進められたのが,将来を担う優良人材を獲得である。社内で新卒採用のプロジェクトが立ち上げられた。

ここに関わってきたのが、リンクアンドモチベーションだ。

採用目標を達成するため、母集団形成に向けた莫大な資本投下も半端なかったが、彼らの真骨頂は企業の採用ブランドづくりである。

モリモトという会社を、誰がどの場でどのように語るのか。魅せるのか。

人事はもとより、リクルーター、面接官、経営者まで。全社を挙げて取り組みとなり、社長自身も旗を振ってくれた。

各部門のエースが集められ、徹底的に自分の仕事、組織、会社についてディスカッションする。そこで会社の良さや特徴を再認識し,共有し合うプロセスは圧巻で、最後には自分の言葉で仕事や会社を魅力的に伝える優秀な広報マンができあがる。

人事は複数回の会社説明会で、学生との距離感を縮め、会社理解や好感度を高めていく。

面接は経営陣フル稼働だ。

極めつけは社長の本音トーク。飾らない社長のお人柄もあるが、横で聞いている人事もはじめて聞く話や、面白いエピソードで笑い転げる座談会を続けた。

デザイナーズマンションとして尖った会社の、かっこいい先輩達、親しみのある経営者。今までいなかった名門大学の学生が、時には業界大手の内定を蹴って入社を決めてきた。

リンクアンドモチベーションのプロジェクトメンバーの皆さんの昼夜にわたる尽力もあり、モリモトの採用ブランドが勝ったのである。

金メッキを貼った採用ブランドはすぐに剥がれる。短期退職者が続発するからだ。

しかし、モリモトを代表して語った先輩達がイキイキと働き、近くで経営者も汗を流している職場に魅力を感じないはずがない。

この経験を通じて、採用の極意は、費用をかけることでも、テクニックを磨くわけでもない。経営者から社員一人ひとりが仕事、会社を見つめ直し、その魅力を自分ごととして捉えられるかだと思った。

自分の強みを認識した個人と会社は、人々を魅了してやまないのである。

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