今年を振り返って、強く印象に残った事をただ徒然なるままに綴ってみる。
きっかけは何の気なしに見ていたyoutubeだった。
THE FAST TAKEという企画。白いスタジオに置かれた、一本のマイク。 ここでのルールは、ただ一つ。 一発撮りのパフォーマンスをするというものだ。ここでレベッカのNOKKOを見た。
そこにはかつての小柄でスリムなNOKKOではなく、年輪を重ねて熟成されたNOKKOがいた。
はにかむようなメンバーに対する声掛けから、強烈なギターのイントロが始まる。NOKKOがフレンズを歌い出した時、ココロが震えた。歌でココロが揺さぶられることは今までもあったが、いきなりガツンときた。
それは、私よりいくつか年上のNOKKOがプロとして妥協のない歌いぶりだったことや、フレンズがまさに自分のはかなくも切ない恋愛体験を思い出させてくれたこともあったかもしれないが、やはり同じ時代を生きてきたNOKKOの人生と自分の人生を重ね合わせて思うノスタルジーだったのかもしれない。
レベッカが全盛期を迎えた1990年代は、小柄な女の子が元気いっぱい歌ってるなという印象で、代表曲をたまに耳にする程度だった。30数年の年月が経った今は、同年代の同志が今も輝きを失わずに闘っている姿として飛び込んできた。
そんな時、なんと1990年に武道館で開催された実質的な解散コンサートと言われるライブが、最新技術で編集され映画館で上映されることを知った。
早速チケットを買い求め、立川の映画館に足を運んだ。そこには「R」のロゴの入ったTシャツを着た同年代とおぼしき男女であふれていた。
NOKKOのだんなさんと制作スタッフの挨拶の後、ライブの上映が始まった。そこからの2時間は圧巻だった。スクリーンいっぱいに駆け回り、シャウトするNOKKOの姿にくぎ付けになった。こんなにダンスもうまく、歌唱力も抜群のロックスターがいたのかと当時をリアルタイムで知らなかったことを後悔した。ポケットに潜ませたウイスキーのポケット瓶は早くに空になり、アンコールで歌われた「Maybe Tomorrow」では、自分が泣いていることに気づいた。
この映画は、Blu-rayディスクとなり、その後わが家のリビングで何回も何回も繰り返し流れた。なんど見ても感動がうすれないのである。こんなライブはクイーンのライブエイドくらいしか思い浮かばない。
そして最後はなんと生ライブへの参加である。
10月に東京ガーデンシアターで行われたライブ。1990年のNOKKOもいいが、還暦を過ぎてもまだ、ミュージシャンとしての矜持を失わない妥協のないライブ。これをやるためにどれだけの山を乗り越えたんだろう。それを実現させた境地はどのようなものだろう。レベッカのメンバーも皆歳を重ね、いい味を出している。
YouTubeから始まったレベッカへの追想の旅は、60歳ひとつ手前の年になった自分にとって、とてつもない大きなエネルギーとなり明日への活力となった。
それは、あの日、映画館で、ライブ会場で居合わせた同年代の男子、女子のみなみなも同じだろう。
ご同輩。まだまだやれる。がんばろう。

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