先日、中学校時代の同窓会幹事が集まっての新年会があった。
男女9人の会だったがみな60歳。還暦を迎えた(迎える)ところで、定年、離婚、老後、孫など話題は尽きない。
その中である(元)男子の離婚の話に及んだ。
結構な退職金をもらった彼曰く、離婚の理由を「いやあ、退職金の金額を話したのがいけなかったよな」とのたまった。
それを聞いた(元)女子陣からは、それはあくまできっかけであって積年溜まってた奥様の不満が爆発しただけ。と集中砲火を浴びていた。
もう一つ彼のショックは年金が半分になってしまったこと。
今、話題になっている第3号分割である。
悠々自適の老後の夢破れ、生活のため仕事に就かざるをえなくなってしまったと。
この第3号分割、両者で年金の按分率を話し合う合意分割と違って、有無をも言わせず半額になってしまう。この年金半額ショックの破壊力は半端ない。
世の中の専業主婦を放ったらかしにしてきた男性諸氏にとっては、まさに寝耳に水の爆弾話である。
そこでワタシは考えた。
社労士として、男性諸氏にこの制度を知らしめ、そのインパクトを理解させ、老後の悲劇を回避させることが任務であると。
とは考えたものの、これを知らしめるに相応しい場所がない事に気づいた。企業内研修でもニーズはなさそうだ。一方で、女性誌では水面下でひっそりと情報が伝達され、女性陣は機が熟するのをじっと待っているのである。
そこでまた、大きな事に気づいた。
定年時に、離婚を切り出される男性の傾向として、ワタシの同窓生と同様、まさか離婚されるとは考えていないのである。
つまりいかに有益なリスク情報として伝えても自分ごととして捉えない以上、意味がないのである。
やるべき研修は、熟年離婚にならないために奥様との関係性をどのようなものにすべきか。を考えさせる研修となろう。
そこで、自ら気づき、関係性を良化させた御仁こそが、第3号分割という最終兵器から逃れることができるのである。
コメント