前回は、生保時代の採用手法として4つの手法のうち、知人紹介、イベント動員の2つを紹介した。
今回は、残りの2つを紹介する。
まずひとつは、簡単なアルバイトを通じた営業の疑似体験である。
主に新聞の折込求人広告を使ったが、1日2時間、5日間のアルバイト広告を掲載する。
ターゲットは仕事をしていない隙間時間でお小遣いを稼ぎたい主婦層だ。
アルバイトの内容は、当時生保商品で注目を集めていた貯蓄商品のオリジナルチラシを、指定した地域にポスト投函する仕事。
時給は、当時としては標準以上の1000円程度で設定。1人あたり合計10,000円のコストはかかる。しかし、効果は絶大なのである。
採用したアルバイトは、営業職員の上位職位となるマネージャーに面倒を見てもらう。マネージャーの組織メンバーとおしゃべりしながら作業する事で、メンバーとの人間関係は深まり職場の雰囲気になじんでいく。
投函したチラシを見た方から問い合わせを受けることもある。アルバイトはそこで仕事の一端を体験することができる。
5日間の最終日には、机を並べた仲間とランチ。ここで決めるのである。
「あなたならできる」と。
アルバイトは終わるが、その後の研修会(日当あり)へつなぐのである。
時間あり、人間関係あり、引き続きのお小遣い稼ぎあり。仕事へのハードルは下がり、ランチもご馳走になってもはや断る理由がなくなっているのである。
2つ目は極め付け、既に保険に加入している既契約者である。保険見直し訪問の中で、保険の仕組みを説明する。
もっと詳しく勉強できる場として研修会のお誘いをする。
手当をもらって、生保の仕組みを理解して、あわよくば、自分自身が営業職員となって自分自身の保険を見直せば約◯万円の募集手数料が給与としてもらえる。
「自分自身で見直しましょう」
「この契約に至るプロセスが私たちの仕事です。今度は貴方が他の人に伝える番です」
が決めセリフだった。
今回紹介した手法は、生保独特の手法かもしれないが、応用できるヒントはたくさんある。
かくの如く、地元密着の採用手法は奥が深く、楽しみながらできるのである。
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