試験勉強がマンネリ化する中、モチベーションをあげるツールとして、映画のチカラも忘れてはなりません。
感動した映画に出会うと、映画の中の登場人物に今の自分を重ね合わせ、映画館を出る時にはその人物になりきってしまうことがあります。昔、東映のやくざ映画を見終わった観客は、映画館を出るとみんな健さんになって、肩で風切って歩き始めてました(笑)。
映画の主人公が、今の自分を投影したキャラクターであればなおさらです。
数ある名作の中で、近年一押しだったのが「トップガン・マーヴェリック」(2022年)。言わずと知れたトム・クルーズです。前作「トップガン」(1986年)はまさに私たちの青春ど真ん中の時代で、男子は皆M1ジャケットに身を包んでトムになりきっていました。
そのトムも現在58歳(当時)。映画の中で共感したのは、彼が私と同じオートバイ乗りであることでもなく、恋愛相手が妙齢の美女ではなくて、ちょっと歳のいったジェニファー・コネリーで安心したことでもありません。
彼が今まさに、ならず者国家に対して戦いと挑もうとした際、元上官に「今や無人戦闘機の時代だ。かつての優秀なパイロット(トップガン)は今や絶滅危惧種だ」と言葉を投げつけられたシーンです。
マーヴェリック(トム)はニヤッと笑ってこう返します。「そうかもしれない。でもそれは今じゃない」。
どれだけ世界中の50、60代の、窓際に追いやられたシニアに元気と勇気を与えたかはかり知れません。いくつになっても挑戦を続ける。AIの時代かもしれないが、まだ自分のやれることはあるはず。どんな境遇になっても自分を見失わず、今、ここを生きていく。
どんなに忘却曲線の落ち込みが激しくても、どんなに模擬テストの結果が壊滅的でも。あきらめてはいけない。
この映画を観終わったあと、私は机に向かうのも忘れ、腕立て伏せを始めるのでした。
映画の力は偉大です。

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